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   藤沢摩彌子は、日本ペンクラブ会員の作家です。
   能楽など日本の伝統文化を中心に、ノンフィクション、
   評伝なども執筆。全国で講演活動も行っています。


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2016-11-03

『アサヒビール大逆転 どん底時代をいかに乗り越えたのか』単行本(1999年/文春ネスコ・文藝春秋)
『アサヒビール大逆転 どん底時代をいかに乗り越えたのか』文庫版(2002年/文藝春秋)

IMG_0001.jpg 本書は私の処女出版となった記念すべき本である。1999年に発行されてから、翌年韓国語に翻訳出版され、2002年には文春文庫になった。
 アサヒビールとの出合いは、1980年代後半にさかのぼる。1989年に創業百年を迎えることを機に、アサヒビールは特別なチームを組んで百年史の編纂をはじめていた。著作、編集の一員として、資料整理が終わった後半部から加わった私は、創立以来の輝かしい歴史と、急激にシェアを落とし続けていった苦悩の時代を知る、幹部、社員たちの声を、直接聞くことができた。
 創立百年を迎えるほどの名門企業の生々しい内情。
「このままでは、つぶれてしまう」というほどの危機感に見舞われつづけたアサヒビールの社員たちが、どのようにして立ち直っていったのか。
 アサヒビール百年史をつくりあげる段階で、多くのものを学ばせていただいた。
 そのなかで、「いつか大逆転の物語を書きたい」という気持ちが高まっていた。
 現在、アサヒビールはビールシェアトップを誇り続けているが、百年史ができた1989年当時は、サッポロビールを追い抜いてはいたものの、ガリバーと呼ばれ一時はシェア60パーセントを誇って斯界に君臨していたキリンビールにはまだまだ及ばず、業界二位という地位に甘んじていた。長い低迷の期間を経て、ようやく二位に漕ぎつけた、そんな時期だった。
 しかし、いずれ遠くない時期に、「かならずやキリンを抜くだろう」、なんとなくそんな予感があった。そう思わせるような「不思議な熱気」が、アサヒビールという会社にはあったのである。
 1989年秋、百年史が完成したあとも、私は、折にふれて、アサヒビールの動向を探り続けた。一般新聞各紙のみならず業界紙などにも目を通しているうちに、「本当」に「その時」が近いことを確信するようになった。
 大逆転の物語、企業復活の物語をいつか書いてみたい、と思い続けて10年。1999年、念願の『アサヒビール大逆転』を上梓した。
 本書を書き上げた年、ビール業界年間シェアで、アサヒビールはキリンビールを抜いて首位に返り咲くことが確定的となった。じつに45年ぶりの首位奪還劇であった。

 奇跡は起こるものだ、と信じたい。
 いや、奇跡は起こるのではなく、自分たちの手で起こすのだ。
 一度は泥にまみれながら、あきらめなかった人間たちの復活のドラマを私の手で書き記し、世に出させていただけたことを、ありがたいことと思っている。

 なお、本書は、2002年文春文庫PLUSとして文庫化された。文庫版の表紙も掲載する。
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   2016-11-03

韓国語版『アサヒビール大逆転 どん底時代をいかに乗り越えたのか』(2000年/韓国・MOSEK PUBLISHING)

IMG_0003.jpg 「『韓国語版にしたい』というオファーが、韓国の出版社三社からありました」
 文藝春秋の担当編集者から連絡をもらったのは、日本で単行本が出版されて半年もたたないころだったと記憶している。オファーしてきた三社のなかから、一番しっかりしていると思われる版元を文春で選んでもらい、契約することになった。
 当時の韓国は経済が落ち込み、失業者が溢れている時期だった。何とかして経済を上向かせたいという韓国の人々の思いが、本書を翻訳出版したい、という出版社があらわれたことにつながったのだと思う。自然な成り行きであったかもしれないが、日本以外の国の経済復興のために本書を選んでいただけたことは、ありがたいことであり、幸運なことであった。
 本のデザインが、本書の中身を明確に物語っている。頭を抱えている人物が中央下に描かれている。左上にはビールの泡がデフォルメされて金色に輝いている。この上なく暗い人物が、光のなかに導かれていく明るい未来を想像させるようでもある。
 残念ながら韓国語は少しも読めないが、私にとって、大切な一冊となった。

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